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    音楽ファンに美しい「余白」を届けるCicadaは、台湾ひいては世界の音楽シーンでも異彩を放つ存在だ。室内楽アンサンブルという形態を用いて、クラシックの弦楽曲を書きながら、ジャンルを超えた魅力があり、さまざまな音楽が持つ特徴を駆使して、聴けば、ポストロック、モダン・クラシカル, サウンドトラック、実験的なサウンドアートと、色々な要素が浮かび上がってくる。 Cicadaが「クラシック音楽」であるか否かについて議論するには、一作一作を見つめて論じるのではなく、彼らが表現しようとする美学に目を向けるべきだ。前作「Ocean」のリリース後、多数のフェスティバルへの出演、映画のサウンドトラックなどの制作を終え、各パートにおける技術と表現力は更に正確さを増した。加えてレコーディング方式の多元化が、Cicadaの室内音楽という親密な空間の長所と見事に融合し、その結果、新たなフェーズに入ったアンサンブルからこの驚くべき新作「White Forest」はもたらされた。

    弦楽のハーモニー、独奏の告白によって、Cicadaは台湾の自然風景に物語を与え、消え去る過程を追い続けている。ため息を一つしたあとでテーマを探し、音楽で記録する。消え去るものへの感傷はありつつも、これまでのCicadaと違っているのは、現実的な感覚が強まったことだ。音楽版ソローの「森の生活」に似て、動物と人間の間の物語の帳を開くように、ストーリーを強く持ちつつ、音楽表現はまとまっていて、豊潤に仕上がっている。

    前作の「Ocean」に続いて、自然を観察することはCicadaの長期的なプロジェクトであるだけでなく、楽団の表現の変化を表している。「余白」は音楽におけるモンタージュであるだけでなく、Cicadaのコミュニケーションの願いが描かれている。花連の海に棲むイルカ、サンゴ礁の白化を主題としたアルバムタイトルと同名曲、白イルカの生息地を脅かす脅威…..一曲ごとに主題が明確な楽曲は、ザトウクジラが吹き上げる水しぶきを凝縮させたような、音楽の光を通して、純粋で美しい質感を映し出している。







    Tracks:
    1 Dolphins Leap
    2 Fly
    3 White Forest
    4 Used to be Home
    5 Swimming in the Plastic Ocean
    6 Whale Family
    7 The Stray Cat in Zhuwei


    アーティスト:Cicada
    タイトル:White Forest
    フォーマット:CD
    レーベル:flau
    型番:FLAU70
    発売日:2017年11月